アク/灰汁抜きとは?アク抜きが必要な野菜と方法のまとめ

鍋にタケノコとお湯、米糠を入れてアク抜きをする様子

こんにちは、タカシです。

本日は『アク抜き』について解説していきます。

煮物をする時にアクを取る事は知っているけれど、そもそもアク(灰汁)って何?身体に悪いものなの?身体に良いものもあるって本当?全部取り除いていいのかな......?

など、アクの事について詳しく深堀り&自分の忘備録も兼ねて解説していきたいと思います。

この記事を読むとアク抜きについての知識と調理の幅が広がり、料理の味が深まります。あなたの思う最高の料理へ一歩近づく事でしょう。

内容としては料理をやっている人向けですが、料理初心者の方は慣れてきた時に読み返すと便利な内容になっております。


それではいってみましょう!

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家で比較的簡単に実行できて、楽しくなる料理のアイデアです。

ぜひチェックして頂けると嬉しいです

アクってなに?灰汁と食品のアク

瓶からスプーンを使って木灰を取り出す様子

さて、それではアクとは何なの?という所からみていきましょう。


灰汁(アク)
とは、
そもそもは草木灰(藁【わら】灰や木灰)を水に浸した上で上澄みをすくった液の事を言います。炭酸カリウムが主成分であるためアルカリ性で、石鹸の原料、洗剤、漂白剤、また食材のアク抜きなどに用いります。

食材のアクとは、
味覚に不快な作用を与える成分・好ましくない色・臭いなどを指し、水に浸けたり、茹でたり、アルカリ性の水溶液に浸けたりして取り除きます。

アクには動物性食材のアクと植物性食材のアクがあり、成分は無機質のものと有機質のものに分けられます。

無機質のものとしてはカリウム、マグネシウム、カルシウムなどがあり、有機質のものとしてはシュウ酸、ポリフェノール、配糖体、サポニンなどがあります。

この記事では、
食材のアクを取り除く水溶液を『灰汁』、
食材中に含まれる不純物の総称を『アク』と表現しています。

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動物性のアクってなに?

お肉が入った鍋のアク抜きの様子
動物性のアク

水溶性のタンパク質・血液が煮汁に溶け出した後加熱により凝固し、脂肪と共に煮汁の表面に茶色や灰色の泡となって浮き出たものです。煮込む時によく見かけますね。

澄んだ味にするため極力取り除く場合(ブイヨンなどのスープ)と、コクや複雑な味わいを楽しむため残す場合(鍋料理)があり、好みや料理の種類、文化により異なります。

アクはタンパク質・ミネラル・うま味・香りなど美味しさに繋がる成分とも結びついていますので、取り過ぎるのも勿体ないのです。逆にアクを取らずに放っておくと煮汁が濁り、臭いも残る場合があります。

家での調理はある程度取り除くくらいのバランスで良いと思います\(^-^)/


植物性のアクってなに?

アク抜きして一晩経ったわらびとゼンマイ
植物性のアク

エグ味
の元となるシュウ酸・ホモゲンチジン酸などの有機酸及びそれらの化合物、

渋味
の元となるタンニンなどのポリフェノール類、

苦味
の元となるアルカロイド(植物の中に存在する窒素)、糖分と結合した配糖体、カルシウム(苦味&塩味)やマグネシウム(苦味)など

が植物性のアクにあたります。

植物性のアクには
取り除く必要があるアクと、
取り除かなくていい身体に良いアクがあります。

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アク抜きが必要な食材は?

食材ごとのアク抜き方法を表にしてみました。

アク抜きが必要なお野菜一覧表
クリックして拡大

いかがでしょうか。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、ナスやごぼうのアクと呼んでいるものは実はポリフェノールと呼ばれるファイトニュートリントで、むしろ身体に良い効果をもたらすものなのです。

ただ空気に触れると酵素の働きにより酸化して食材の色が黒くなってしまうので、料理の見栄えを良くするためにアク抜きされていました。ご家庭での調理の際は、これらの食材のアク抜きの必要はないでしょう\(^-^)/

ごぼうの重要な栄養素は皮下2mmに存在しているともいいますし、私もアク抜きせず食べています。



◆わらびとゼンマイのアク抜きについて、『重曹を使ったわらびとゼンマイのアク抜き・保存方法・時期などをご紹介』にてご紹介しております。


◆タケノコのアク抜きを大根おろしでやる方法を、『【簡単下処理】タケノコのアク抜きを大根おろしでやる方法』にてご紹介しております。

アク抜きについての理解が深まりますので、よろしければ合わせてご覧になってみてください♪

アク抜きってどんな方法があるの?

さて、色んなお野菜のアク抜き方法が分かったので、アク抜きの方法を簡単にとりまとめてみました。

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水にさらす

ささがきごぼうを水に浸けてアク抜きする様子

山菜のアク抜きや、ナス・ゴボウ・サツマイモ・ジャガイモ・ウドなどの色止めの為に用いられます。


酢水にさらす

料理酒をスプーンに注ぐ

レンコンなどのアク抜きに用いられます。また、レンコンに含まれる粘り成分は酢水により失われるので、シャキシャキとした食感になります。

 

蓮根の甘酢漬け

逆に水にさらした場合はホクホクとした粘りのある食感のままになります。


茹でる、茹でたあと冷水に浸す、煮る

茹でた高菜を水に浸けてアク抜きする様子

ほうれん草・春菊などの青菜を茹でてアク抜きします。アクの強い山菜は茹でたあと冷水に浸けてさらにアク抜きをします。

動物性食材は煮るとアクが出るので、取り除きすぎない程度にバランスよく取りましょう。


米のとぎ汁・米糠

鍋にタケノコとお湯、米糠を入れてアク抜きをする様子

米のとぎ汁・米糠の吸着性を利用してタケノコのアク抜きに用いります。


アルカリ性水溶液(灰汁・重曹)

鍋に入れたわらびをお湯と重曹でアク抜きする様子

アルカリ性水溶液を使う方法はワラビやゼンマイなどのアク抜きに用いられます。灰汁(藁灰や木灰の上澄み液)はアルカリ性であり植物の繊維を軟化させる性質を持つことを利用し、浸したり茹でたりすることでアクが溶け出すことを容易にします。

藁灰や木灰が手に入りにくくなった今日では炭酸水素ナトリウム(重曹)が用いられることが多いです。ただ重曹を使うと、香りが飛びやすいのでなるべくなら藁灰や木灰を使いたいところです。

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アク抜きに必要なもの

こちらではアク抜きをする際に便利な道具をご紹介します♪

◆おたま...ではなく、細かい網の目のおたまがオススメです。

 

◆デザインも使い勝手も良い、佐藤金属工業酸のアク取り。こちらもオススメです!

 

◆山菜のアク抜きに必要な木灰です。本当は藁(ワラ)の灰=藁灰がよいです。

 
◆同じく山菜のアク抜き用に使う食品用重曹。重曹は排水溝のぬめり取りなどお掃除にも使えますので、一家に一袋あると良いでしょう。

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まとめ

今回はアク抜きって何だろう?という疑問について深堀りしてみました。何となく先人たちの知恵でやっていたアク抜きも、こんなに色んな理由で行われていたのです。

また、抜かなくてもよいアクがある事に驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか?私達が普段何となくやっていた事もちゃんと理解すると適切な場面で行う事ができますね。

料理は何事も実践です。まずはこの記事を参考にアク抜きをやってみてください。自分の技術に落とし込めるのはそこがスタートです。


最後までごらんいただき、ありがとうございました。

あなたの料理ライフがより良いものになりますように♪

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