お肉やお魚の臭みを取る7つの方法

ハーブと野菜、スパイスでマリネされたラムチョップ

こんにちは。
オーガニック料理教室『Organic Relife』講師の櫛山です。

本日は食材の臭み取りについて解説していきます。

料理の下準備として行われる『臭み取り』ですが、あなたは聴いた事はありますでしょうか?
調理の現場では当たり前に行われている作業で、これをするとしないとではお料理の味が変わってきます。

この記事ではご家庭でも簡単にできる臭み取りの方法をご紹介しますので、ぜひご自宅で実践して頂きたいと思います。お料理の腕を1ランクUPさせたい方には必見ですよ♪

それではいってみましょう!

ブログでは料理についての様々な情報を公開しております。

家で比較的簡単に実行できて、楽しくなる料理のアイデアです。

ぜひチェックして頂けると嬉しいです♪

魚の霜降り

さて、『臭み取り』は雑味取りとも言えます。

具体的にはどんな方法があるかというと、

・酢洗い
・清酒やワイン漬け
・塩

・霜降り
・レモン(クエン酸)

・焼き(魚)
・ハーブやスパイス

 

などがあります。
一見難しそうですが、どれも簡単です。

基本的に鮮度が良い食材はあまり念入りに臭み取りの必要はないのですが、青魚や少し鮮度の落ちた物、食材の雑味を取りたい場合には臭み取りの作業は必要です。

それではこの7つの臭み取りを、お魚・お肉・お野菜別に深堀りしていきます!

ちなみに臭み取りに関してはまだまだ方法があるのですが、本記事では基本的なやり方に注目してみていきます。

お魚の臭み取り

ザルに置かれた2尾のサバ

まず魚の生臭さの原因はトリメチルアミンというアルカリ性の揮発しやすい物質で、有機化合物の一種です。魚の水揚げ後、時間の経過と共に旨味成分の一つであるトリメチルアミン-N-オキシドが分解して生じた物です。

トリメチルアミンの性質

水に非常に溶けやすい。低濃度では魚臭、高濃度ではアンモニア状の臭気を有する。

魚類は、浸透圧調節作用を持つ成分として、トリメチルアミン-N-オキシド (TMAO) を持ち、還元されることでトリメチルアミンとなる。トリメチルアミンは魚が腐敗したときの臭いの原因の一つである。_____Wikipedia

ではこの臭いの対処法を具体的に見ていきましょう。

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酢洗い

コノシロの酢漬け

トリメチルアミンはアルカリ性なので、酸性のお酢などで中和させ化学的に臭い物質を抑制させます。

水を張ったボウルにお酢を一まわし入れ、お魚の身を入れて優しく洗います。ついでに血合いや残った鱗も落としちゃいましょう。洗ったら水気をキッチンペーパーでよく拭き取って、味付けをしていきます。

この方法では魚の臭みの大部分は抑えられますが、完全には難しいです。内部に若干臭いが残ります。なので、ハーブやスパイス、後述するレモンやソースなどで複合的に臭いを抑える工夫が必要です。

火を通すあらゆる魚料理の下準備で行ってよいです。火を通すと酸味は消えます。

 

清酒やワイン漬け

料理酒をスプーンに注ぐ

アルコールには、揮発するときに食材に含まれる臭い物質を一緒に揮発させる「共沸」という効果があります。さらにお酒には香りを抑える効果や身を柔らかくする効果、旨味成分も大量に含まれているので、下準備や調理途中に使うには持ってこいの調味料と言えます。

私のイメージですが、

『清酒』は旨味成分と臭い消し、

『ワイン』は香りと酸味と臭い消し、

という具合に使っています。きちんと揮発させないとお酒による臭み取りの効果は出にくいという事を覚えておきましょう。

使い方としては、お魚の切り身全体に行き届く程度の量です。私は切り身をバットに並べ、塩・スパイス・オリーブオイルでマリネした後清酒で湿らせたキッチンペーパーを被せます。

そうすると無駄に清酒を使う事なく全体にお酒の成分を行き渡らせる事ができます。魚の切り身が大きい場合にはお酒をかけた後軽く揉み込むと良いでしょう。本みりんも同様に効果がありますが甘味はついてしまいます。

基本的に和食では清酒、洋食では白ワインで使い分けています。

火を通すあらゆる魚料理の下準備で行ってよいです。火を通す時アルコールは消えます。

 

マリネされる白身魚2切れ

魚の切り身に塩を振ります。すると浸透圧で中の水分が臭い成分を伴って出てきます。これをキッチンペーパーで拭き取るか、流水又は酢水でさっと落とします。

私の場合、魚の重量に対して1%程の塩を皮に4、身に6という割合で振ります。

『白身魚』は塩を振って5~10分、『青魚』は白身魚より多めに塩を振り20〜30分程置きます。放置時間が長いと旨味成分まで流れ続けてしまうので注意してください。

・あらゆる魚料理で行ってよいです。塩を打って置く時間には気を付けましょう。塩気が身に入っているので、ソースや付け合わせの味付けのバランスを取ってあげる必要があります。

 

霜降り

魚の霜降り

80度の熱湯に切り身をさっと潜らせて、血合いや汚れ、滑り、鱗などを取り除きます。身が白く変化する事から霜降りと呼ばれています。

霜降りした物は水を張ったボウルに取って綺麗に洗い、その後水気を拭き取ってから調理に移ります。

臭いが強い状態の魚は、塩を打った身を置いた後にお酢又はお酒を加えた熱湯に潜らせて霜降りします。そうするとかなりの臭いをとる事ができます。

・あらゆる魚料理で行ってよいですが、霜降りすると多少身に水分を含んでしまうので、ポワレなどの焼き入れの調理よりは煮付けなどの水分を伴う調理の方が向いています。

 

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レモン

焼きサバと大根おろし、レモン、大葉

お魚の脂質は水揚げ後から酸化していき、過酸化脂質に変化していきます。これによる酸化臭がお魚の臭いの一つの要因になります。

一般的に赤身魚には脂質が多く含まれ、時期によりその含有量は大きく変化します。

※赤身魚=カツオ・マグロ・ ブリ・ハマチ・アジ・イワシ・サバ・サンマ・ニシン・キビナゴ・サワラ・タチウオ・トビウオ
ちなみに青魚は水産学上の分類ではなく、赤身魚の内、背中が青く見える魚の事を指します。
※青魚=アジ・イワシ・サバ・サンマ・ニシン・キビナゴ・サワラ・タチウオ・トビウオ

 

お魚の中の金属イオンが脂質と反応するので、脂質が多い魚程酸化が進む=足が早い事になります。

この酸化を抑えるのがキレート作用であり、これはレモンに多く含まれるクエン酸とお魚の中にある金属イオンが結合する反応を指します。

なので下処理の際、例えばマリネしたりする時にレモン汁をかけてあげると足が早い赤身魚でも比較的美味しさを保ったまま保存できる事になります。加えてラップでピッタリ密閉してあげると、さらに酸化を抑える事ができます。

又このキレート作用は単に脂質の酸化を抑えるだけでなく、カルシウムや鉄、亜鉛などのミネラルを包み込んで、消化管からの吸収率をUPしてくれます。さらに、金属と強いキレート作用をもつこのクエン酸は、体内に吸収された有毒な金属を体外に排泄する効果が知られています。

すごいですよね、クエン酸って\(^^)/

・あらゆる魚料理で使ってよいです。クエン酸の分解温度は175度なので火を入れても酸味は残ってしまいます。酸味が気にならない、例えばカルパッチョや南蛮漬け・エスカベッシュなど、またポワレなどの焼き魚の仕上げに使いましょう。

 

ハーブやスパイスでマスキング

ハーブマリネされたイワシ

香気成分によるマスキング効果で臭みを抑えます。単体で使うのではなく、塩で臭みのある水分を抜いた後にハーブやスパイスと一緒に調理したり、霜降りをする際にお湯にハーブを漬けたり、マリネする際にハーブやスパイスを加えたりと、複合的に使うと効果があります。

ハーブやスパイスの使い方については『料理のプロが教えるハーブやスパイスの使い方と入れるタイミング』でもご紹介しております、よろしければご覧ください。

焼き

これは魚出汁をとる時に行われます。魚のアラを一度焼いてから出汁を取り始めます。火を入れる事により、滑りや臭みなどが気にならなくなります。香ばしい香りを出汁につけたい時にどうぞ。

ちなみに香ばしい香りをつけたくない場合には、例えばアラを流水で洗ったり霜降りなどをしてから出汁を取り始めます。

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お肉の臭み取り

さて、次はお肉の臭み取りをご紹介します。

と言っても、お肉は基本的に新鮮であれば臭気はそんなにありません。臭気がある時は腐りかけた時です。なので臭みを取る下準備などは魚に比べて熱心にやる必要はありません。

では実際に見ていきましょう。

 

酢洗いor水洗い

お肉ではあまりやりませんが、お肉自体に臭いが出てきた時に行います。
魚や鶏肉に含まれるトリメチルアミンはアルカリ性なので、酸性のお酢などで中和させ化学的に臭い物質を抑制させます。

水を張ったボウルにお酢を一まわし入れ、お肉を入れて優しく洗います。洗ったら水気をキッチンペーパーでよく拭き取って、味付けをしていきます。
※鶏肉は皮と身の間にある油が臭いますので、包丁でよくこそぎ取っておくのも重要です。

火を通すあらゆる肉料理の下準備で行ってよいです。お肉が臭ってきた時の下準備として有効です。

 

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清酒やワイン漬け

お肉の赤ワイン漬け

こちらもお魚と同様ですが、お肉の場合は大きなブロック肉を赤ワインとブーケガルニと一緒に漬け込みます。

ブーケガルニについては『ハーブで作るブーケガルニとは?料理への使い方の1例」』で解説しておりますので、よろしければご覧ください。


共沸効果については魚の項で上述したので省きます。

お肉を赤ワインに漬け込むと、まず香り・コク・消臭・赤ワインで漬けるとお肉表面が引き締められ、旨味を逃しにくくなる・白ワインで漬けるとお肉が柔らかくなる、などの効果があります。

唐揚げなどの場合では漬け込む調味料と一緒に清酒も加えます。量は全体に馴染む程度。調味料の中のニンニクや生姜のすりおろしも同じく消臭効果があります。

・作る料理によってお酒の種類は変えましょう。それぞれの役割が違います。

 

霜降り

魚の時と同じく、80度の熱湯にさっと潜らせて血合いや汚れ、滑りなどを取り除きます。薄くスライスした細切れ肉や一口大程の小さいお肉で行います。

霜降りした物は水を張ったボウルに取って綺麗に洗い、その後水気を拭き取ってから調理に移ります。

・多少なりとも水分を含むので、煮込み料理などや汁物料理を作る時に行うとよいでしょう。※これを唐揚げの下準備で行ってしまうと、身が締まって味が入りにくくなるので注意!唐揚げは調味料で揉み込むのが一番です。

 

ハーブやスパイスでマスキング

ハーブマリネされた豚肉

お魚と時と同様です。お魚の項で触れたので、説明は省きます。

使われるスパイスやハーブはお魚とは少しだけ変わります。

ハーブやスパイスの使い方については『料理のプロが教えるハーブやスパイスの使い方と入れるタイミング』でもご紹介しております、よろしければご覧ください。

お野菜の雑味取り

そう、実はお野菜も臭み取り=雑味取りをするのです。

霜降り

主に根菜で行います。鍋に水を張り、カットした根菜を入れて中火で80度まで沸かしていきます。灰汁が出れば取り除きます。ザルにあげて軽く流水で流した後、調理に移ります。

根菜を霜降りした後のお湯でお肉を霜降りすると経済的です。お湯を入れ替えなくて済みます。逆はできません(^^;;

お野菜の霜降りは一見効果あるのかな?と思いがちですが、これをやると驚く程料理の味が変わります。何というか、野菜の味がハッキリするのです。おそらく霜降りによって灰汁などの『雑味』が取れるからだと思われます。

肉じゃがや筑前煮など、多くの根菜の煮物であるほど変化は顕著に現れます。素材が高品質で、味をクリアに感じさせたい時にとても効果的です。

高級料亭ではこういう細かな工夫が色んな場面で施されています。だから美味しいのです。美味しくなる工夫とお金と手間を惜しまないので、素晴らしいですね。


では鍋などの色んな具材が入るものでも霜降りするのか?という所ですが、それはしてもしなくてもどちらでもよいです(笑)個人的には鍋でそんな無粋な事してたまるか!って感じです(笑)

しかしお野菜の霜降りは確実に味が変わるので、煮物の味を引き立てたい時にはぜひ一度試してみて頂きたいです。

・主に根菜で行います。煮物料理では素材の味が明瞭になって美味しく変わるのでおすすめです。

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具体例

さて、ここまで7つの臭み取りのやり方をみてきました。

最後に料理の具体例をみて、どんな処理が行われているのかを確かめてみましょう♪

お皿に盛られた魚の味噌煮

・魚の味噌煮

塩を打って臭みの水分を抜いた後、霜降りして調理する。

 

スズキの照り焼き

・魚の照り焼き

塩を打って臭みの水分を抜いた後、小麦粉をつけて焼く。

 

白身魚のカルパッチョ

魚のカルパッチョ

塩・オリーブオイル・レモン・ハーブ・スパイスでマリネする。

 

バットに入ったピクルス具材たち

エスカベッシュ

塩を打って臭みの水分を抜いた後、小麦粉をつけて揚げる。その後調味液とお野菜白ワイン・ハーブ・スパイス・レモンを加えて漬ける。

 


 

グリルされた牛肉

ステーキ

焼く直前に塩・スパイスで調味、ハーブを加えて焼く。

 

鉄フライパンに盛られた牛肉の赤ワイン煮込み

肉の赤ワイン煮込み

お肉をブーケガルニ・香味野菜・赤ワインに漬け込んだ後、水気をきって塩・胡椒をして焼く。

 

・肉の唐揚げ

醤油・ニンニクと生姜のすりおろし・清酒・で漬け込む。

 

鍋で煮詰められる根菜

・筑前煮

根菜とお肉を霜降りしてから、煮込み始める。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は臭み取りをよく使われる方法7つに絞って見てきました。
これらが大まかなベースになります。

そして世の中のシェフ達は色んな工夫を日々編み出しています。
例えば紅茶や緑茶で霜降りしたり、アールグレイの茶葉でお魚をマリネをしたり、乾燥昆布と清酒・麹で
熟成させたり。

木の実で燻したり、柑橘の皮でうまく香りをつけたりと、季節の素材で遊ぶようにアイデアを生み出していっています。

やり方はまだまだたくさんあり、自由です。
まずはこの基本のやり方で感覚を掴んで、そこからアレンジしていってみてください。

ご質問があれば下記にあるオープンチャットからお気軽にどうぞ(^^)

あなたの料理ライフがより良いものになりますように♪


最後まで御覧頂き、ありがとうございました。

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